九州・アジア・ファンディング(KAF)を運営する、九州・アジア・パートナーズ株式会社の小城雅弘です。
KAFは2024年10月に始まったばかりの、まだ若いサービスです。しかし、その根っこにある想いは、決して新しいものではありません。
一般の方が、小口から優良な不動産に参加できる仕組みをつくりたい
この想いを抱いてから、実現までにかかった歳月は、20年を超えます。
想いが芽生えた日

転機は、今から20年余り前に訪れます。法律の改正によって、日本でも不動産投資信託が解禁されたのです。
それまでの日本では、優良な不動産から得られる安定した利益は、多額の資金を持つ一部の資産家や大企業のものでした。それが、小口化という仕組みによって、一般の方にも開かれていく。不動産の新しい可能性を目の当たりにして、私の中にひとつの想いが生まれました。
いつか自分も、不動産の小口化商品を世に広めたい
一部の富裕層だけでなく、一般の投資家の皆さまにも、不動産投資のメリットを享受してもらえる仕組みをつくりたい。理由はとてもシンプルで、みんなで喜んだ方が、楽しいからです。
私が思い描いたのは、一つひとつの物件について、「なぜこの物件が良いのか」という選定理由を投資家の皆さまと共有し、納得したうえで参加していただく、物件の顔が見える小口の不動産投資です。
走り出した矢先に

想いを形にするチャンスが訪れたのは、2007年のことです。
私は、不動産鑑定士やファンド会社の元社長など、経験豊富な仲間を集めて「不動産私募ファンド研究会」を発足させました。そして研究会のメンバーで資金を出し合い、親会社からの出資も合わせて資本金1億円を確保し、2008年4月、九州・アジア・パートナーズ株式会社を設立したのです。
長年温めてきた構想が、いよいよ動き出す。そのはずでした。
設立からわずか5ヶ月後。リーマンショックが世界を襲いました。
「100年に1度」と言われた金融危機です。銀行の融資は止まり、すでに借りているお金には資金回収の動きが強まりました。2008年後半に倒産した上場企業のおよそ半分を不動産会社が占めるという、異常事態でした。
当社もこの荒波に飲み込まれました。物件の仕入れも売却もままならず、できることがなくなり、昼間に公園のベンチで弁当を食べるだけの日が続きました。想いを語るどころか、会社が明日を生き延びられるかどうか。それが現実でした。
それでも、あきらめなかった

どん底から私を救い出してくれたのは、資金でも才覚でもなく、それまで愚直に積み上げてきた人とのご縁でした。
世の中の不動産会社が次々と倒れていくなかで、不思議なことに、かつての知人や仲間たちから「これ、やりませんか」と案件や相談が舞い込むようになったのです。開発会社が倒産して未完成のまま放置されていた熊本の戸建て団地。建設途中のオフィスビル。そうした物件を仕入れ、確実に売り切る。その地道な積み重ねで、当社は少しずつ息を吹き返していきました。
生き延びることに必死だったあの時期にも、私はファンドの想いを手放しませんでした。
当社の沿革を見ていただくと、設立直後の2008年に金融商品取引業者(投資助言・代理業)の登録を行い、リーマンショックの傷がまだ癒えない2011年には、第二種金融商品取引業の登録を行っています。目の前の仕事で会社を立て直しながら、ファンド事業への布石を、ひとつずつ打ち続けていました。
20年越しの実現
時代も、少しずつ追いついてきました。
不動産特定共同事業法の改正でオンライン契約への道が整い、不動産投資クラウドファンディングという形で、「小口から不動産に参加できる仕組み」が現実のものになっていったのです。長年抱き続けてきた想いと、時代が交差した瞬間でした。
事業の要となる不動産特定共同事業の免許取得には、およそ5年をかけました。資本金1億円以上、宅建業免許、業務管理者の配置、安定した財務基盤——数々の要件と審査は、平坦な道ではありませんでした。それでも、設立のときに確保した資本金1億円が、長年積み重ねてきた実績が、そして誠実さでつないできたご縁が、ひとつずつ要件を満たしていってくれました。
2024年5月、不動産特定共同事業者免許を取得。
そして2024年10月、福岡・九州特化型の不動産投資クラウドファンディング「九州・アジア・ファンディング(KAF)」を、ようやく世に送り出すことができました。
ここからが、本番です

KAFは、私にとってゴールではありません。「自他共に喜ぶ」という私の経営哲学を、ようやく形にできるスタート地点です。
だからこそ、お約束したいことがあります。
ひとつは、都合の悪いことも隠さないこと。不動産投資クラウドファンディングに元本保証はなく、不動産である以上、空室や価格下落といったリスクもあります。「なぜこの物件が良いのか」「利益の根拠は何か」だけでなく、リスクも包み隠さずお伝えします。義務ではありませんが、費用を投じて監査法人のチェックを受け、会社の透明性を高める努力も続けています。
もうひとつは、投資家の皆さまを「お客さま」である前に「パートナー」と考えることです。20年前に思い描いた「物件の顔が見える投資」のとおり、物件の選定理由や収益の背景を共有し、納得して参加していただき、共に知識を深め、共に成長していく。将来的には、皆さまがご自身でより大きな不動産投資に挑戦されるようになったなら、その道のりの伴走者になれたことを、心から嬉しく思います。
20年かけてたどり着いた場所だからこそ、目先の数字のために信頼を損なうようなことは、決してしたくない。皆さまから大切な資産の一部をお預かりする緊張感を片時も忘れずに、誠実に、真摯に、この事業を育てていきます。
40年前、この業界に入るときに誓った言葉を、最後にもう一度記します。
正直な不動産屋になる
この誓いとともに、福岡の地から、皆さまと一緒に歩んでいきます。
九州・アジア・パートナーズ株式会社 代表取締役 小城 雅弘
